WHAT's IN? presents GiRLPOP VOL.39-1999 Sachiko Ohnishi from east cloud (p114-115)
まこととたいせーの向こうを張って、堂々としたボーカリストぶりを発揮している大西さちこ。彼女の音楽ルーツをたどりながら、歌うことに目覚めた出発点を探る。 Photo by 黒須みゆき, Text by 松岡政司 |
「最初は中学1年生ぐらいの時だったかな。お父さんに連れられて家の近所にあるちょっと怪しげなカラオケ・パブみたいなところに行ったんです。で、“さち、歌ってみろ!”と言われて。もともと歌うのは大好きで、みんなちゃんと聴けよなあ、みたいに威勢よくマイクを握ったまでは良かったんですが、見事に全然歌えなくて。ただ気持ちよかったことだけを覚えていますね。それから友達と週に2、3回は近所のカラオケ・ボックスに通うようになって。小泉今日子さんや工藤静香さんの曲を物真似しながら歌ってました。いつもいちばん大きなパーティ・ルームに入るんですよ。そこだと歌声がロビーや廊下に少しもれて、当然、隣りの部屋にも音が聴こえるんですよね。そんな場所でカーテンを開けっ放しにして思いっきり大声で歌う。その、いろんな人に聴いてもらってる感じが、たまらなく快感だったんです。」
「私が好きになるミュージシャンって、みんな歌い方に癖のある人が多いんですよ。たとえば工藤静香さん。彼女だったら語尾に独特のビブラートがかかるじゃないですか? それがすごく好きで。それと大黒摩季さん。たぶん、ふたりの歌いまわしは今の私の歌い方にも大きな影響を及ぼしてるんじゃないかな。とにかく京都にすんでいた頃は歌ってばかりで、あんまり音楽を聴きに行くということはなかったんです。クラブなんかも本当に数回程度。それもこっちに出てきてからスタッフの方々と見学という名目で。当時、学生と並行してモデルのお仕事をしていたせいもあるんですが、なんかチャラチャラしてるように思われるのが嫌だった。あのにぎやかな雰囲気はすごく好きなんですけど、どこか一歩引いて心から楽しめない自分がいるようで・・・」 |
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「(1999年のクラブ・ツアーについて)めっちゃ気持ちいいですよ。たいせーさんが客席に向かって、“実は持ち歌が2曲しかないんですよお”って言ったら、みんなが“ええええ!”と残念がってくれたりもして。こんなに楽しいのに、最初は不安ばかりが大きくてみんなのことを、“敵”だと思ってたんです。なんかお客さんに見られてることで私のテンションが下がるんじゃないかと考え込んだり、演歌じゃないけど手拍子がなかったらどうしようかと心配したり。でも、みんなすごく温かかったんです。見守られてるんだなあっていう感覚、それがあったんで歌詞を間違えても余裕を持って歌えたんです。本番前、たいせーさんに“さちは人前に出て上達していく子やと思う”と言われたんですけど、まさかここまで自分が開放的になれるとは思ってもみなかったです。独りだけで前に立って歌っているんじゃないという安心感。まことさんやたいせーさん、それにダンサーさんやDJの方もいて、あとはなんといってもお客さん。みんなが一体となって音楽を奏でているというか。つまり私だけが先頭に立ってるんじゃないという一体感。まだまだステージと客席が溶け合ってるとは言えないけれども、自分の中ではすごくいい場所が見つかったと感じています。」
「モデルなら撮影中はとにかく“私がいちばんきれい”と思ってないとダメだと思うんですよね。それは自分自身に願をかけるようだけど、でないと誰も私のことを“きれいだ”なんて言ってくれないんじゃないかって。それと同じでクラブで歌っている時“もしかして私は今輝いているんじゃないか”と感じられる瞬間が何度かあったんですよ。だからもっともっといろんな人の前で歌いたいです。」
(さちこさんのプロ意識を感じた記事。もっとライブができるといいネ。それと、Photoがとっても美しかったんですヨ。思わず写真の中のさちこさんをじーっと見つめちゃいました。)
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